香港チャイナ代表 2026 完全ガイド — 世界に住む「香港人」で作る、初のW杯代表
2027年10月1日、パーススタジアム。ラグビーワールドカップ2027の開幕戦で、開催国オーストラリアと対戦するのは——ワールドカップ初出場の香港チャイナです。
香港チャイナは、アジアで日本に次ぐ2カ国目としてワールドカップ出場を決めました。しかもその代表チームは、名簿を見ると英語・オーストラリア・南アフリカ系の名前が大半を占めます。
「香港の代表」でありながら、世界中から集まった選手で構成される。この記事では、その独特な成り立ちを見ていきます。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 世界ランキング | 23位・60.74ポイント(2026年7月20日時点) |
| RWC2027 | 出場権獲得済み(2025年、アジア選手権優勝) |
| W杯出場 | 史上初。2027年大会で唯一のデビュー国 |
| プール | プールA(オーストラリア・ニュージーランド・チリと同組) |
| ヘッドコーチ | ローガン・アスプリン(ニュージーランド人、2025年8月から) |
| 主将 | ジョシュア・ハーシュティッチ(No.8) |
| 特記 | 大会の開幕戦に登場 |
アジアで2カ国目、そして開幕戦
香港チャイナのワールドカップ出場は、アジアラグビーにとって歴史的な出来事です。
アジア選手権2025の最終戦で韓国を70-22で下し、優勝と同時に自動出場権を獲得。日本に次いで、アジアで2カ国目のワールドカップ出場国となりました。インチョンでの大会は、香港にとって6大会連続のアジア王者でもありました。
しかも2027年大会では、唯一のデビュー国です。RWC2027で唯一「初出場」の国であり、その香港が大会の開幕戦で開催国オーストラリアと当たるという、最高の舞台を与えられました。
プールAは、オーストラリア、ニュージーランド、チリ。オールブラックスとワラビーズが同居する「死のグループ」ですが、初出場国にとってはこれ以上ない檜舞台です。
- 10月1日 vs オーストラリア(パース/開幕戦)
- 10月9日 vs チリ(タウンズビル)
- 10月15日 vs ニュージーランド(メルボルン)
「香港に住む外国出身者」で作る代表
香港チャイナ代表を理解する鍵は、居住資格にあります。
2025/26シーズンの登録39名を見ると、中国系の名前はング・シウルン(HO)、エリック・チュイ・ワイラップ(SH)、アイザック・キャンベル=ウー(CTB)ら数名。残る大半は、イギリス系・オーストラリア系・南アフリカ系の名前です。
これは香港という都市の性格そのものです。国際金融都市として世界中から人材が集まり、その中でラグビー経験者が香港代表の資格(居住資格)を得て代表を構成する。かつての宗主国イギリスをはじめ、ラグビー文化圏から香港に渡ってきた人々が、チームの土台になっています。
もう一つの特徴が年齢構成です。
- ジョー・バーカー(SO)36歳
- ジョシュア・ハーシュティッチ(主将/No.8)35歳
- トム・ヒル(CTB)35歳
- ジェームズ・ソーヤー(BR)34歳
- ベン・アクステン=バレット(CTB)34歳
- グレガー・マクニーシュ(SO)34歳
主力に30代半ばが並びます。若い突き上げよりも、経験を積んだ「香港在住のベテラン」がチームを引っ張る構図です。
注目選手
RWC2027公式が挙げる注目選手は以下の3人です。
- ジョシュア・ハーシュティッチ(主将/No.8、35歳)— リーダーシップとトライゲッターを兼ねるフォワード
- ハリー・セイヤーズ(バック、32歳)— アタックとスピードに定評のある万能バック
- ピアース・マッキンレイ=ウェスト(FW、30歳)— ディフェンスのスピードに優れるパックの働き手
いずれもキャリアの円熟期にある選手たちです。
なお香港チャイナは香港ラグビー協会(HKCR)のもと、セブンズ(香港セブンズは世界的に有名です)でも長い歴史を持ちます。15人制の代表強化は、そのセブンズの土壌の上に築かれてきました。
準備 — 世界を回って本番へ
初出場に向けて、香港チャイナは入念な準備を進めてきました。
報道によれば、チームは前年の夏にチリ、パラグアイ、ブラジルを遠征し、11月にはブラジルを2度ホームに迎えて対戦。国内シーズンをフルに戦ったうえで、オーストラリアと日本で事前キャンプを張っています。
ニュージーランド出身のHCローガン・アスプリンは、ニュージーランドで10年の年代別指導経験を持つ人物。2025年8月に就任し、出場権獲得を支えたコーチングチームの一員でもありました。
日本との関係
香港と日本は、アジアラグビーにおける長年の対戦相手です。かつてはアジア予選で日本が香港を大差で下す時代が続きましたが、いま香港チャイナは日本に次ぐアジア2番手の座を明確にしました。
日本が世界10位、香港チャイナが23位。差はまだ大きいものの、アジアからワールドカップに2カ国が出るという事実は、この地域のラグビーが着実に広がっていることを示しています。
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