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ラグビー「第2グループ」8カ国ガイド — ジンバブエ・ルーマニア・ポルトガル・香港チャイナ・カナダ・アメリカ・スペイン・チリ

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ラグビーワールドカップ2027は、出場枠が20から24に拡大されます。増えた4枠を勝ち取ったのは、これまで日本語ではほとんど紹介されてこなかった国々です。

ジンバブエ。ルーマニア。ポルトガル。香港チャイナ。カナダ。アメリカ。スペイン。チリ。

この記事では、その8カ国を世界ランキング・予選ルート・代表チームの中身まで踏み込んで整理します。ニックネームの読み方から、代表チームがどんな人たちで構成されているかまで、日本語で読める最も細かいところを目指しました。

各国の詳細記事は順次公開し、この記事からリンクしていきます。


まず全体像 — 8カ国の位置関係

世界ランキングは2026年7月20日時点(World Rugby公式)の数字です。日本は10位(76.42)。

カタカナ表記愛称ランキングRWC2027の予選ルート
Portugalポルトガルオス・ロボス(狼)15位 69.39欧州選手権2025 準決勝進出
USAアメリカイーグルス14位 70.22パシフィック・ネーションズカップ2025
Chileチリロス・コンドレス(禿鷹)16位 66.94南米2位×太平洋4位 プレーオフ
Spainスペインロス・レオネス(獅子)17位 66.83欧州選手権2025 準決勝進出
Romaniaルーマニアステジャリー(樫の木)21位 62.45欧州選手権2025 準決勝進出
Hong Kong China香港チャイナ23位 60.74アジア選手権2025 優勝
Canadaカナダカナックス24位 60.37パシフィック・ネーションズカップ2025
Zimbabweジンバブエセーブルズ(羚羊)25位 57.68アフリカカップ2025 優勝

ここで注目したいのは、アメリカ14位・ポルトガル15位という数字です。日本(10位)との差は、もはや「格下」と切り捨てられる幅ではありません。一方でカナダ24位、ジンバブエ25位と、同じ「ティア2」の中でも実力差はかなり開いています。


大陸ごとに見る予選の構図

ヨーロッパ枠 — ポルトガル・スペイン・ルーマニア

この3カ国は、ラグビーヨーロッパ選手権2025で準決勝に進出したことで、まとめて出場権を得ました(ジョージアを含む4カ国)。つまり3カ国は毎年のように直接対戦している「ご近所のライバル」同士です。

アジア枠 — 香港チャイナ

アジア選手権2025で優勝して出場権を獲得。日本がアジア予選に参加しない現在、この枠は事実上「日本以外のアジア最強」を決める戦いです。

アフリカ枠 — ジンバブエ

アフリカカップ2025で優勝。南アフリカが別枠である以上、ここはアフリカ大陸の実質的な頂点決定戦です。

南北アメリカ・太平洋枠 — アメリカ・カナダ・チリ

アメリカとカナダはパシフィック・ネーションズカップ2025経由。チリだけは別ルートで、南米2位×太平洋4位のプレーオフをサモア相手に勝ち抜きました(第1戦32-32の引き分け、第2戦31-12で勝利)。


「代表チームの中身」が国ごとに全然違う

ここからがこの記事の本題です。同じ「ティア2」でも、代表チームの成り立ちは国によってまるで違います。

香港チャイナ — 香港に住む外国出身者で作る代表

2025/26シーズンの登録メンバー39名を見ると、中国系の名前はング・シウルン(Ng Siu Lung、HO)、エリック・チュイ・ワイラップ(Eric Chui Wai Lap、SH)、アイザック・キャンベル=ウー(Isaac Campbell-Wu、CE)の3名ほど。残りはイギリス系・オーストラリア系・南アフリカ系の名前が並びます。

さらに特徴的なのが年齢構成です。ジョー・バーカー(FH、36歳)、ジョシュア・ハーシュティッチ(BR、35歳)、トム・ヒル(CE、35歳)、ジェームズ・ソーヤー(BR、34歳)、ベン・アクステン=バレット(CE、34歳)、グレガー・マクニーシュ(FH、34歳)——30代半ばが主力に居並びます。

香港に居住する外国出身者が代表資格を得てチームを作る。この構造そのものが、香港チャイナというチームの正体です。そして香港チャイナは、RWC2027で唯一の初出場国として、開幕戦で開催国オーストラリアと当たります。

ルーマニア — 南アフリカ系と太平洋諸島系への依存

登録53名の中に、ジャン=ピエール・スミス(PR)、エティエンヌ・テルブランシュ(BR)、ジェイコブ・イメルマン(BR)、ジョンドレ・ウィリアムズ(SH)、ディラン・シュワルツ(CE)といった南アフリカ系の名前が並びます。

同時に、ジョジ・シコテ(PR)、フォノヴァイ・タンギマナ(CE)、テヴィタ・マヌムア(CE)、ヒンクリー・ヴァオヴァサ(FB)、イリエサ・ティケ(FB)、ジェイソン・トマネ(CE)と太平洋諸島系も多数。

かつて「東欧の雄」としてフランスを5回破った国が、いま何を選択しているのか。

アメリカ — 太平洋諸島系の層と、他国代表経験者

登録43名のうち、マリウ・ニウアフェ(PR)、ペイトン・テレア=イラリオ(PR)、トンガ・コフェ(PR)、カペリ・ピフェレティ・ジュニア(HO)、マイク・ソセネ=フェアガイ(HO)、テヴィタ・ナカリ(LO)、ナフィ・マアフ(BR)、ヴィリ・ヘル(BR)、タヴィテ・ロペティ(CE)と、太平洋諸島にルーツを持つ選手が9名。

加えて、トンマーゾ・ボーニ(CE、32歳/元イタリア代表)、ルーベン・デ・ハース(SH、26歳/南アフリカ出身)、ルーファス・マクリーン(WG、27歳)といった、他国で育った選手も加わっています。アメリカは2031年のワールドカップ開催国であり、2027年はプールEで日本と同組です。

ポルトガル — 18歳と37歳が同居する世代の幅

2023年フランス大会で世界を驚かせたポルトガル。登録44名を見ると、トマス・バティスタ(FH)が18歳、一方でSHのサミュエル・マルケス37歳、PRのアンソニー・アルヴェス36歳

RWC2023で主将を務めたトマス・アップルトン(CE)、快足WGのラファエレ・コスタ・ストルティも健在です。

そして2026年3月、ポルトガルはラグビーヨーロッパ選手権でジョージアを19-17で破り優勝しました。2004年以来の欧州タイトルです。

チリ — 大学生と経営者が代表チームにいる

チリは8カ国の中でも特異です。プロ化が途上のため、代表選手が本業や学業を持っているケースが報じられています。

  • マティアス・ディトゥス(PR、33歳)— 食肉事業「La Bodega del Tongua」を経営。プレミアムカットとマガジャネス産のチョップを扱う
  • アウグスト・ボーメ(HO、30歳)— アンドレス・ベジョ大学の体育学部に奨学生として在籍。U17代表のコーチも兼任
  • サンティアゴ・ペドレロ(LO、24歳)— カトリカ大学工学部で土木工学を専攻
  • ハビエル・アイスマン(LO、29歳/身長201cm)— 同じくカトリカ大学工学部
  • ライムンド・マルティネス(BR、25歳)— 同工学部
  • マルセロ・トレアルバ(SH、31歳)— 商業工学の学位を持つ

※職業・学業の情報は現地紙 La Tercera(2021年10月31日)およびカトリカ大学工学部の記事(2022年7月21日)で報じられた時点のものです。

一方で海外のプロクラブでプレーする選手もいます。ディエゴ・エスコバル(HO、26歳)はフランス・トップ14のラシン92所属で代表59キャップ。サンティアゴ・ビデラ(28歳)はアメリカMLRのシカゴ・ハウンズで、代表通算216得点。主将のマルティン・シグレン(BR、30歳)はMLRのニューイングランド・フリージャックスでプレーしています。そのチリはいま世界16位=史上最高位で、RWC2027ではニュージーランド・オーストラリアと同組です。

スペイン — 主力がフランスのプロクラブに集中

スペイン代表の中心選手は、ほぼ全員がフランスのクラブに所属しています。

選手カタカナポジション所属クラブキャップ
Álvar Gimenoアルバル・ヒメノCEベジエ(仏プロD2)63
Ignacio Piñeiroイグナシオ・ピニェイロLOグルノーブル(仏プロD2)33
Jon Zabalaジョン・サバラPRポー(仏トップ14)32
Álvaro Garcíaアルバロ・ガルシアHOスタッド・フランセ(仏トップ14)23
Kerman Aurrekoetxeaケルマン・アウレコエチェアSHビアリッツ(仏プロD2)13
Manex Aricetaマネクス・アリセタBRバイヨンヌ(仏トップ14)7
Samuel Ezealaサミュエル・エゼアラWGスタッド・フランセ(仏トップ14)3

※所属・キャップ数は2026年7月22日時点。

主将のサバラ、アウレコエチェア、アリセタ、エゼアラはいずれもフランスの育成システム出身(JIFF資格保持者)。エゼアラに至ってはクレルモンの下部組織で育ち、2017年から2023年までクレルモンでプレーしていた選手です。

スペイン国内最高峰のディビシオン・デ・オノールは11チーム制ですが、「報酬を得る選手と得ない選手が混在する」セミプロリーグ。代表主力がフランスに出て行く構造は、この待遇差と無関係ではありません。

なお協会はカスティーリャ・イ・レオン・イベリアンズという直営フランチャイズを立ち上げ、協会が選手と直接契約して所属クラブへレンタルする形で、代表候補40名の育成と負荷管理を一元化しようとしています。

カナダ — どん底からの復帰

かつて1991年大会でベスト8に入った北米の盟主カナダは、2022年に史上初めてワールドカップ出場を逃しました。相手は当時世界26位のチリ。出場を逃したことで推定100万ポンドの収入減に見舞われ、選手登録料の値上げにまで踏み切っています。そのカナダが2027年に復帰し、2026年9月5日には新潟で日本代表と対戦します。

ジンバブエ — 36年ぶりの復帰

セーブルズの愛称で知られるジンバブエは、1987年の第1回大会にアフリカ大陸として初出場した国です。1991年を最後に姿を消し、36年ぶり——出場国の中で史上最長のブランクを経て、アフリカカップ2025を制して復帰しました。登録32名にはオーストラリアでのプレー経験を持つイアン・プライアー(SH)らが名を連ねます。


この先の記事予定

各国の詳細記事では、以下を掘り下げます。

  • 主力選手一人ひとりの所属クラブ・キャップ数・本業
  • 国内リーグの構造と、プロ化がどこまで進んでいるか
  • 協会の台所事情(予算・World Rugbyからの配分)
  • 日本代表との対戦歴
  • どこで試合を観られるか

公開でき次第、この記事からリンクしていきます。


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