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ポルトガル代表(オス・ロボス)2026 完全ガイド — 欧州王者になった「半分アマチュア」の国

#ポルトガル #オス・ロボス #RWC2027 #ワールドカップ2027 #ラグビーヨーロッパ選手権 #ティア2 #ラグビー

2026年3月15日、スペインのレガネスにあるエスタディオ・ブタルケで、ラグビーの勢力図が少し書き換わりました。

ポルトガル 19-17 ジョージア。

ラグビーヨーロッパ選手権の決勝。
長年この大会を支配してきたジョージアを、ポルトガルが2点差で下しました。
ポルトガルは5戦全勝で欧州王者に輝きました。

そのポルトガルは、つい数年前まで「代表選手の半分が仕事や学業と両立している国」でした。
この記事では、その変化の中身を数字で追います。


基本データ

項目内容
愛称オス・ロボス(Os Lobos=狼たち)
世界ランキング15位・69.39ポイント(2026年7月20日時点)
RWC2027出場権獲得済み(ラグビーヨーロッパ選手権2025で準決勝進出)
ヘッドコーチサイモン・マニックス
主将トマス・アップルトン(CTB)
直近のタイトルラグビーヨーロッパ選手権2026 優勝

日本は同時点で10位(76.42)。
ポルトガルとの差は約7ポイントで、決して安全な距離ではありません。


2026年、ジョージアを止めた試合

決勝の中身を見ると、この勝利の性格がよく分かります。

得点者

  • ポルトガル:マヌエル・ヴァレイロ(FB)のペナルティゴール4本、ヴァンサン・ピント(WTB)のトライ、ヴァレイロのコンバージョン
  • ジョージア:イリア・スパンデラシュヴィリ、トルニケ・ジャラゴニア(テド・アブジャンダゼがコンバージョン)、ベカ・ゴルガゼの3トライ

トライ数はジョージアの3に対してポルトガルは1。
それでも勝ったのは、ヴァレイロが蹴り続け、そして守り切ったからです。

そしてこの試合で4本のPGと1本のコンバージョンを決めたヴァレイロは、当時21歳です。


RWC2023 — フィジーを倒した79分

ポルトガルを世界に知らしめたのが2023年フランス大会でした。
プールCの4試合を振り返ります。

日付対戦相手結果会場
9月16日ウェールズ8-28 ●ニース
9月23日ジョージア18-18 △トゥールーズ
10月1日オーストラリア14-34 ●サンテティエンヌ
10月8日フィジー24-23 ○—

プールC4位・勝点6。
しかし内容は数字以上でした。

ジョージア戦では13点のビハインドを背負いながら、WTBラファエレ・コスタ・ストルティの2本のトライで一時逆転。
18-18の引き分けに持ち込みます。

そしてフィジー戦。
78分にロドリゴ・マルタがトライを決め、79分にサミュエル・マルケスがコンバージョンを成功させて24-23。ポルトガルにとってワールドカップ史上初の勝利でした。


「33人中16人が、ラグビー以外の仕事や学業を持っていた」

ここがポルトガル代表を語るうえで最も重要な事実です。

2023年ワールドカップに臨んだ33人のスコッドのうち、プロ契約選手は17人。
残る16人は学業か、ラグビー以外の仕事と両立していました。
ポルトガルは大会に出場した20カ国の中で唯一、アマチュア選手を含むチームだったのです。

さらに遡ると、2007年大会のポルトガル代表はもっと極端でした。
当時のチームには獣医・医師・弁護士が並んでいます。

  • ルイ・コルデイロ — 獣医。
    養豚業の経営に携わる
  • ジョアン・コレイア — 医師
  • マルセロ・ドレイ — 弁護士

※職業は当時の報道時点のものです。

このチームがオールブラックスと対戦した後、ニュージーランド側からロッカールームでビールに誘われた——というエピソードが今も語り継がれています。

2023年、そして2026年のポルトガルは、そこから確実に変わりました。
ただし「完全にプロ化した」わけではない。半分プロ、半分兼業という状態から欧州王者になった。
それがこの国の現在地です。


注目選手 — 所属クラブとキャップ数

主力の多くはフランスのクラブでプレーしています。
数字は2026年7月22日時点。

選手カタカナPos所属クラブ年齢キャップ
Tomás Appletonトマス・アップルトン(主将)CTB—3288
José Madeiraジョゼ・マデイラBRペルピニャン(仏トップ14)2553
Diogo Hasse Ferreiraディオゴ・ハッセ・フェレイラPRダックス(仏)2956
Nuno Sousa Guedesヌーノ・ソウザ・ゲデスSO/FB—3147
Raffaele Costa Stortiラファエレ・コスタ・ストルティWTBグルノーブル(仏プロD2)2539
Manuel Vareiroマヌエル・ヴァレイロFBプロヴァンス(仏プロD2)2114
Samuel Marquèsサミュエル・マルケスSHカルカソンヌ(仏)37—
Vincent Pintoヴァンサン・ピントWTBコロミエ(仏)27—

この表から読み取れること

マデイラ(25歳で53キャップ) — グルノーブル(2020-26)で主力となり、2026-27シーズンからトップ14のペルピニャンでプレーします。

コスタ・ストルティ — ベジエ(2022-24)→スタッド・フランセ(2024-25)→グルノーブル(2025-)とステップアップ。
RWC2023のジョージア戦で2トライを挙げたのもこの選手です。

ヴァレイロ(21歳) — 2025/26シーズンからプロヴァンス所属。
欧州選手権決勝の勝利をキックで作った若いFBです。

マルケス(37歳)とピント(27歳) — 2人ともフランス生まれでありながらポルトガル代表を選んだ選手です。
マルケスはポー(2019-21)→カルカソンヌ(2021-23)→ベジエ(2023-)を経て、現在はカルカソンヌ所属。
RWC2023フィジー戦の決勝コンバージョンを蹴ったのが彼でした。

ハッセ・フェレイラ — 身長176cmのプロップ。
経歴が面白く、セール・シャークス(イングランド)に一時在籍したのち、スペインのアパレハドーレス(2019-20)→ディジョン(2020-21)→ダックス(2021-)という道を辿っています。


ポルトガルラグビーが抱える課題

強くなった一方で、構造的な問題は残っています。

現地報道によれば、ポルトガルラグビーは選手が就職や進学のタイミングで競技を離れてしまうという悩みを長く抱えてきました。
若い選手が大学に進む、あるいは海外へ留学する。
そこで競技から離れる。
国内リーグが選手を職業として支えきれていないことの裏返しです。

代表の主力がフランスのクラブに集中しているのも、同じ構造の別の側面です。
フランスリーグは世界有数の規模を持ち、そこでプロとして生きる道がある。
国内に留まった選手は、仕事や学業と両立せざるを得ない。

それでも欧州王者になった——という点にこそ、この国の面白さがあります。


RWC2027に向けて

ポルトガルはラグビーヨーロッパ選手権2025で準決勝に進出し、ジョージア・スペイン・ルーマニアとともに欧州枠でRWC2027の出場権を獲得しています。

2027年オーストラリア大会は出場枠が24に拡大され、決勝トーナメントはラウンド16から始まります。
各プール3位のうち成績上位4チームにも突破のチャンスがある方式です。
RWC2023でプール4位・勝点6だったポルトガルにとって、この方式変更は明確な追い風になります。


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