ジンバブエ代表(セーブルズ)2026 完全ガイド — 36年ぶり、アフリカ最古の代表が還ってくる
1987年、記念すべき第1回ラグビーワールドカップ。アフリカ大陸から初めて出場した国は、南アフリカではありませんでした(当時アパルトヘイトで国際大会から排除されていました)。その国は——ジンバブエです。
ジンバブエは1987年と1991年に出場した後、36年間ワールドカップから姿を消しました。これは、どの国よりも長い「ワールドカップ間の空白」です。
その空白を、2025年にセーブルズは自力で終わらせました。この記事では、アフリカ最古の代表の歴史と現在を追います。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 愛称 | セーブルズ(Sables=黒い羚羊) |
| 世界ランキング | 25位・57.68ポイント(2026年7月20日時点) |
| RWC2027 | 出場権獲得済み(2025年、アフリカカップ優勝) |
| W杯出場 | 3回目(1987、1991、そして2027) |
| プール | プールF(イングランド・ウェールズ・トンガと同組) |
| ヘッドコーチ | ピート・ベナデ(ジンバブエ出身、2024年3月から) |
アフリカ大陸、最初のワールドカップ代表
ジンバブエのワールドカップの歴史は、ラグビーの歴史そのものと同じ長さです。
1987年の第1回大会にアフリカ大陸として初めて出場。1991年にも出場し、いずれもグループステージを戦いました。1987年のルーマニア戦では20-21と、あと1点まで勝利に迫っています。
しかしそこから、長い低迷が始まります。政治・経済の混乱、ラグビー環境の疲弊。ジンバブエは36年間、ワールドカップの舞台から遠ざかりました。これは出場国の中で史上最長のブランクです。
「ブラック・ダイヤモンド」リチャード・ツィンバ
ジンバブエラグビーを語るとき、必ず名前が挙がる選手がいます。リチャード・ツィンバ、愛称「ブラック・ダイヤモンド」。
彼は**ジンバブエ代表初の黒人選手でした。2度のワールドカップで3トライ**を挙げ、その卓越したプレーは今も語り継がれています。2000年に亡くなりましたが、2012年にワールドラグビー殿堂入りを果たしました。
アパルトヘイト下の南アフリカが国際舞台から排除されていた時代、アフリカのラグビーを代表して世界と戦ったのがジンバブエであり、その象徴がツィンバでした。この歴史的背景は、セーブルズというチームの誇りの源になっています。
2025年、36年の空白を破る
復帰を成し遂げたのは、2024年3月に就任したジンバブエ出身のHCピート・ベナデのもとでした。
セーブルズはアフリカカップ2025で優勝。ウガンダのマンデラ国立競技場で行われた大会で、モロッコとケニアを破り、決勝でナミビアを30-28で下しました。
このナミビア戦の意味は大きいものでした。ナミビアは過去7大会連続でワールドカップに出場してきたアフリカ2番手の常連。その相手を2点差で振り切り、セーブルズはアフリカカップ2連覇とワールドカップ出場を同時に手にしたのです。
南アフリカに次いで、アフリカから2カ国目のRWC2027出場決定国となりました。
RWC2027ではプールFでイングランド、ウェールズ、トンガと同組。極めて厳しい組み合わせです。
- 10月2日 vs ウェールズ(アデレード)
- 10月8日 vs イングランド(アデレード)
- 10月15日 vs トンガ(タウンズビル)
注目選手
RWC2027公式やスカッドから、鍵を握る選手を挙げます。
- イアン・プライアー(SH/SO、大会時37歳)— スーパーラグビーとイングランド・プレミアシップでの経験を持つ司令塔。オーストラリアで長くプレーしてきたベテランで、セーブルズに国際経験をもたらす存在
- ティノテンダ・マヴェセレ(BR、27歳)— カリーカップとURC(ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ)でプレーする爆発的なフランカー
- クレオパス・クンディオナ(PR、27歳)— エリート国際レベルとの対戦経験を持つタイトヘッドプロップ
主力の一部が南アフリカやオーストラリアのハイレベルなリーグでプレーしており、その経験が36年ぶりの本大会でどこまで通用するかが注目されます。
現在地
ジンバブエは世界25位。8カ国のティア2の中では最も下位に位置し、実力的には厳しい戦いが予想されます。プールFのイングランド、ウェールズという2つの強豪を前に、勝ち星を挙げるのは容易ではありません。
それでも、36年ぶりに世界の舞台へ還ってきたという事実そのものが、アフリカラグビーにとって、そしてジンバブエという国にとって大きな意味を持ちます。1987年にアフリカを代表して立った国が、四半世紀以上の空白を越えて再び現れる。その姿を見られること自体が、この大会の見どころの一つです。
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