アメリカ代表(イーグルス)2026 完全ガイド — 2031年開催国が、まず2027年に日本と当たる
アメリカは2031年のワールドカップ開催国です。北米・南米で初めて開催されるワールドカップであり、ラグビーにとって「巨大な未開拓市場」への本格進出を意味します。
その開催国が、2023年大会には出場できませんでした。そして復帰した2027年オーストラリア大会では、プールEで日本と同組。2031年の主役が、その4年前にまず日本と当たります。
この記事では、開催国という華やかな看板の裏で、アメリカラグビーが何を抱えているかを見ていきます。
基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 愛称 | イーグルス(Eagles) |
| 世界ランキング | 14位・70.22ポイント(2026年7月20日時点) |
| RWC2027 | 出場権獲得済み(2025年9月14日、デンバーでサモアを29-13) |
| プール | プールE(フランス・日本・サモアと同組) |
| 将来 | 2031年W杯・2033年女子W杯の開催国 |
同時点で日本は10位。アメリカ14位との差は約6ポイントです。
2031年、アメリカで開催される
まず押さえておくべき事実がこれです。
World Rugby理事会は、2031年男子ワールドカップと2033年女子ワールドカップの開催国にアメリカを満場一致で選出しました。男子ワールドカップが南北アメリカ大陸で開催されるのは史上初です。
ラグビーにとってアメリカは長年の「夢の市場」でした。巨大な人口、豊かなスポンサー、整ったスタジアム。2031年大会は、その市場を本気で取りにいく大会と位置づけられています。
だからこそ、アメリカ代表の強化は World Rugby 全体にとっての関心事です。開催国が弱いままでは、大会そのものが盛り上がらないからです。
しかし2023年大会は逃した
その重要な国が、直近のワールドカップには出られませんでした。
2022年のアメリカ大陸予選でアメリカはウルグアイに敗退。同じ予選でカナダもチリに敗れ、2023年フランス大会は史上初めて北米勢が不在の大会となりました。
そこから2027年へ向けた復帰の舞台が、パシフィック・ネーションズカップ2025でした。アメリカは2025年9月14日、デンバーでサモアを29-13で下し、5位決定戦を制してRWC2027出場権を獲得します。
そしてオーストラリア大会ではプールEでフランス、日本、サモアと同組に。フランスは2023年大会のホスト、日本は2019年大会のホストという豪華な組み合わせです。アメリカはRWC2019でもフランスと同組でした。
「稼げないリーグ」メジャーリーグラグビーの現実
アメリカ代表を語るうえで避けられないのが、国内プロリーグ**メジャーリーグラグビー(MLR)**の状況です。
MLRは北米唯一のプロラグビーリーグですが、2026年シーズンはわずか6チームにまで縮小しました。リーグ史上最少です。
- アンセム・ラグビー・カロライナ
- カリフォルニア・リージョン
- シカゴ・ハウンズ
- ニューイングランド・フリージャックス
- オールドグローリーDC
- シアトル・シーウルブズ
各チームは10試合のレギュラーシーズンを戦い、上位4チームがプレーオフに進みます。
そして選手の待遇です。報道によれば、MLRのサラリーキャップは1クラブあたり約50万ドル。選手の給与は下は最低賃金近くから、看板選手でも年間およそ4万5,000ドルが上限とされています。
この水準では、ラグビーだけで生活するのは容易ではありません。多くのMLR選手が別の仕事を持っていると報じられています。開催国の代表を支えるリーグですら、選手の多くが兼業——これがアメリカラグビーの土台の実像です。
注目選手 — 太平洋諸島系と「外から来た」選手たち
数字は2026年7月22日時点(all.rugby)。
| 選手 | カタカナ | Pos | 所属クラブ | 年齢 | キャップ |
|---|---|---|---|---|---|
| Luke Carty | ルーク・カーティ | FH | アンセム・ラグビー・カロライナ(米MLR) | 28 | 47 |
| Tommaso Boni | トンマーゾ・ボーニ | CE | オールドグローリーDC(米MLR) | 33 | — |
- カーティ — アイルランド出身のSH。LAギルティニス(2020-22)→シカゴ・ハウンズ→NOLAゴールド→アンセムと、縮小と再編を繰り返すMLRを渡り歩いてきました
- ボーニ — 元イタリア代表のセンター。ゼブレ・パルマで長くプレーし、シックスネーションズにも出場した選手が、いまアメリカ代表を着ています
登録メンバー全体を見ると、太平洋諸島にルーツを持つ選手が非常に多いのが特徴です。マリウ・ニウアフェ、ペイトン・テレア=イラリオ、トンガ・コフェ、カペリ・ピフェレティ・ジュニア、マイク・ソセネ=フェアガイ、テヴィタ・ナカリ、ナフィ・マアフ、ヴィリ・ヘル、タヴィテ・ロペティ——ポジションを問わず並びます。
太平洋諸島系の移民の層と、ボーニのような他国代表経験者。アメリカ代表は「移民国家アメリカ」の縮図のようなチーム編成になっています。
RWC2027に向けて
アメリカは世界14位。8カ国のティア2の中でもポルトガルと並ぶ上位で、日本(10位)との差も大きくありません。
プールEでは日本と直接対戦します。2019年大会のホスト同士(フランス・日本)に、2031年の次期ホスト(アメリカ)が挑む構図。アメリカにとっては、2031年の主役になる前の「予行演習」でもあります。
24チーム制ではプール3位でも上位4チームに入ればラウンド16に進出できるため、フランスに次ぐ2位争いを日本・サモア・アメリカで演じることになります。
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