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日本代表 南半球3連戦 総括 ― 1勝2敗が示した2027年への現在地

#日本代表 #ネーションズチャンピオンシップ #2026年 #エディー・ジョーンズ #ワーナー・ディアンズ #世界ランキング #RWC2027

2026年7月、日本代表は新設された ネーションズチャンピオンシップ2026 の前半3試合を戦い、1勝2敗 で南半球シリーズを終えました。

イタリアに27-10で快勝、アイルランドに20-36で敗戦、フランスに15-42で敗戦。

この3つの数字は、ばらばらの結果に見えて、実はきれいに一本の線でつながっています。本記事では、その線が何を意味するのかを掘り下げます。


3試合の結果一覧

日付対戦相手会場前半最終スコア結果
R17/4イタリア秩父宮(東京)17-1027-10
R27/11アイルランドニューカッスル(豪)13-1920-36
R37/18フランス国立競技場(東京)15-2815-42

第1戦 イタリア戦 ― 8年ぶりの白星

7月4日、秩父宮ラグビー場。相手は世界ランキング10位のイタリア代表でした。

試合は5分にイタリアが先制するも、11分に日本がすぐさま同点。そこから流れを引き寄せ、前半を17-10とリードして折り返します。最終スコアは 27-10

イタリアからの勝利は 2018年以来、8年ぶり。通算対戦成績は3勝8敗となりました。

この試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチは FL ベン・ガンター。パワフルなボールキャリーと、相手をなぎ倒すようなタックル。日本のフォワードが「当たり負けしない」ことを80分間証明し続けた試合でした。

新大会の開幕戦を白星で飾る ― 出だしとしては理想的でした。


第2戦 アイルランド戦 ― 世界3位を6点差まで追い詰めた

7月11日、オーストラリア・ニューカッスルのマクドナルド・ジョーンズ・スタジアム。相手は世界ランキング3位のアイルランドです。

先制したのは日本でした。相手のラインアウトミスを見逃さずボールを奪い、WTB メイン平 がトライ。前半を13-19で折り返し、後半途中まで 6点差 という射程圏内で戦い続けます。

最終的には20-36。フォワード陣は随所で互角のバトルを演じましたが、終盤に突き放されました。アイルランドには2019年ラグビーワールドカップ以降、これで4連敗となります。

主将 ワーナー・ディアンズ は試合後、後半に相手の修正へ対応しきれなかった点を悔やんでいます。逆に言えば、前半は対応できていたということです。


第3戦 フランス戦 ― 突きつけられた「トップ5の壁」

7月18日、国立競技場に52,632人。日本代表は15-42でフランス代表に敗れました。

前半だけで28失点、後半は無得点。フランスのラインアウトモールとハイボール処理の前に、日本は陣地を取り返す手段を失いました。

この試合の詳細は、こちらの記事にまとめています。


3試合が描いた「一本の線」

対戦相手の世界ランキングと結果を並べると、線が見えてきます。

対戦相手相手の世界ランク(概ね)結果
イタリア10位前後17点差で勝利
アイルランド3位16点差で敗戦(後半途中まで6点差)
フランストップ527点差で敗戦

① 「10位前後には勝てる」ようになった

かつて日本代表がイタリアに勝つのは、番狂わせに近い出来事でした。それが今回は17点差の快勝です。ティア1の下位グループに対して、80分間まともに勝ち切れるチームになった。これは確かな前進です。

7月13日付の世界ランキングでは、男子日本代表は 11位に浮上 しました(首位は南アフリカ)。この順位は、実力の反映として妥当なものだと言えます。

② 「トップ5相手は前半だけ」

一方、アイルランド戦もフランス戦も、互角なのは前半まででした。後半に相手が修正を入れてきた瞬間、あるいは日本のフィジカルが落ちた瞬間に、一気にスコアが動きます。

これは戦術の問題であると同時に、80分間トップスピードを維持する層の厚さの問題でもあります。ベンチから出てくる選手が同じ強度を保てるか。ここが世界のトップ5と日本を分けている最大の差でしょう。

③ セットプレー、特にモール

3試合を通じて最も明確だった課題が、相手のラインアウトモールへの対処です。フランス戦では試合を決定づける要因になりました。

モールを止められないチームは、自陣から出られません。自陣から出られないチームは、どれだけアタックが良くても勝てません。11月の欧州遠征(ウェールズ・イングランド・スコットランド)は、まさにモールを得意とする国々との連戦です。ここに手を入れられるかどうかが、後半戦の最大のテーマになります。


エディー・ジョーンズ体制の2026年後半戦

日本代表を率いるのは エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ。2026年は4月24日から6月5日まで指導自粛期間があり、その間はニール・ハットリーがコーチ代理を務めました。

そうした変則的な準備期間を経ての1勝2敗と考えれば、内容自体は決して悲観的なものではありません。

後半戦は8月8日のオーストラリア戦(大阪)から再開し、9月のパシフィック・ネーションズカップ、10月のフィジー戦(JRFU100周年記念)、そして11月のネーションズチャンピオンシップ欧州3連戦へと続きます。


2027年に向けて

ラグビーワールドカップ2027 は、もう1年後に迫っています。

今回の3連戦で分かったのは、日本代表が 「格下には確実に勝ち、格上には前半だけ食らいつく」 チームだということ。ワールドカップのプール戦を突破するには、前者だけで足ります。しかしその先に進むには、後者を「80分間食らいつく」に変えなければなりません。

残り1年で、どこまで積み上げられるか。11月の欧州遠征が、その中間報告になります。

日本代表を構成する選手たちの多くは、リーグワンでプレーしています。所属チームやポジション、これまでのキャリアは 選手名鑑 から確認できます。代表の背番号の向こう側にある日常を知ると、テストマッチの80分はもっと面白くなります。


※ 本記事の試合結果・世界ランキングは、日本ラグビーフットボール協会および各種公式発表に基づいています。