日本代表 15-42 フランス代表 完全レビュー ― 国立5万2632人の前で突きつけられた「モール」という現実
2026年7月18日、国立競技場。ネーションズチャンピオンシップ2026の第3戦で、日本代表はフランス代表に 15-42 で敗れました。
観客数は 52,632人。日本ラグビーにとって、これは決して小さくない数字です。夏のテストマッチにこれだけの人が集まった。その5万人の前で、日本代表は世界最高峰のフォワードを相手に80分間を戦い抜きました。
結果だけを見れば完敗です。ただ、この試合には「なぜ負けたのか」がきわめて明確に刻まれていました。本記事では、そのポイントを整理していきます。
試合結果サマリー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | ネーションズチャンピオンシップ2026 ラウンド3 |
| 日時 | 2026年7月18日(土)17:40キックオフ |
| 会場 | 国立競技場(東京) |
| 観客数 | 52,632人 |
| スコア | 日本 15 - 42 フランス |
| 前半 | 日本 15 - 28 フランス |
| 後半 | 日本 0 - 14 フランス |
前半だけで28失点。そして後半は無得点。このスコアの形が、試合の性格をそのまま表しています。
立ち上がりは互角だった
フランスの先制点は、ラインアウトからのモールでした。ここは「らしさ」全開の得点です。
しかし日本もすぐに応酬します。WTB 石田吉平 がトライを奪い、一時 8-7 と逆転。国立が沸いた瞬間でした。
このリードが示す通り、日本のアタックそのものが通用しなかったわけではありません。ボールを動かす局面、ブレイクダウンでの反応の速さ、ラインスピード ― これらは世界2位クラスの相手に対しても機能していました。
問題はその先にありました。
決定的だった2つの「空中戦」
① ラインアウトモール
この試合、フランスのラインアウトモールは文字通り「兵器」でした。日本のFW陣は組んでは押し込まれ、押し込まれてはペナルティを取られる。前進を止められない以上、陣地は下がり続けます。
モールは単に7点を生むだけではありません。タッチキック → ラインアウト → モール前進 → またペナルティ という循環が生まれると、ディフェンス側は永久に自陣から出られなくなります。前半28失点の背景には、この循環がありました。
② ハイボールの競り合い
前半だけで、フランスはハイボールから 4回 マイボールを再獲得しています。
キックを蹴られ、競り負け、そのまま相手ボールで攻め込まれる。これは失点そのものより、じわじわとスタミナと集中力を削っていく類のダメージです。80分を通じてこれが続けば、後半に足が止まるのは必然でした。
日本の後半0得点は、「攻め手がなかった」というより「攻めるフィールドポジションに立てなかった」結果に近いと見るべきでしょう。
収穫がなかったわけではない
前半36分、HOのトライで日本は追加点を挙げています。セットプレーから崩し切ったこの場面は、フォワードが正面から仕事をした証拠です。
また日本は後半にも複数回、フランスのゴールライン付近まで到達しています。そこを割れなかったのは、フランスのディフェンス構造が単純に堅かったから。チャンスを作る力とフィニッシュする力は別物であり、日本に足りないのは後者だと、この試合はきれいに教えてくれました。
エディー・ジョーンズHC体制の日本代表にとって、この「どこが足りないか」がはっきり見えることには意味があります。曖昧な敗戦がいちばん厄介なのです。
南半球3連戦を終えて 1勝2敗
これで日本代表のネーションズチャンピオンシップ2026は、前半戦を 1勝2敗 で終えました。
| 節 | 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| R1 | 7/4 | イタリア | 27-10 | ○ |
| R2 | 7/11 | アイルランド | 20-36 | ● |
| R3 | 7/18 | フランス | 15-42 | ● |
イタリアには8年ぶりに勝利、世界ランク3位のアイルランドには後半途中まで6点差の接戦。そしてフランスには完敗。「10位前後の相手には勝てる。トップ5には届かない」 という、現在地がそのまま表れた3試合でした。
3連戦全体の総括は、こちらの記事で詳しく扱っています。
次戦は8月8日、オーストラリア戦(大阪)
日本代表の次の試合は 8月8日、大阪でのオーストラリア代表戦(チャレンジカップ) です。翌週8月15日にはオーストラリア遠征も控えています。
フランス戦で突きつけられたモールとハイボールの課題に、3週間でどこまで手を入れられるか。ワラビーズもまた、その2つを得意とするチームです。
日本代表の2026年後半戦の全日程は、こちらにまとめました。
代表に選ばれた選手たちの所属チームやプロフィールは、RUGBY PICKSの選手名鑑から確認できます。国立で戦った15人が、普段どのチームでどんなプレーをしているのか ― そこまで知ると、次の試合の見え方が変わります。
※ 本記事の試合結果・スコアは日本ラグビーフットボール協会の公式発表に基づいています。